GO TOキャンペーンがゴタゴタしている最中ですが、海外旅行ができない今、近い将来国内旅を楽しむ未来がくると思います。その時、オススメなのが瀬戸内海の離島巡りです。私はここが大好きで、毎年、通っていた時期もあります。そんな瀬戸内海の魅力と楽しみ方をご紹介します。
私が国内の島旅にハマった理由
2015年、長年勤めた会社を辞めて、私は自由になりました。フリーランスというなのフリーターになり、毎日どこで何をしてもいい存在になりました。
「そうだ、旅に出よう!」
でもフリーランスとして受けた定期的な仕事があったので、完全なる自由というわけではありませんでした。海外に行く資金もなかったので、国内旅にすることにしました。
最初の行き先は、京都でした。町巡りは楽しかったのですが、すぐに飽きてしまいました。私が求めていたのはもっと非日常的な空間。
「そうだ、直島!」
数年前、瀬戸内トリエンナーレ(瀬戸内芸術祭)で訪れた直島の旅を思い出し、そこへ行くことにしました。
ART SETOUCHI は、3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」とその間に取り組まれる活動の総称です。
https://setouchi-artfest.jp/
直島の旅は、本当に楽しかった。自然とアート。ゆったりとした時間の中で、夕日を眺め、その1日を思い出し「ああ、仕事辞めてよかった」と思う日々でした。2週間ほどの滞在を終え、東京に戻らなければならなかったのは、悲しい思い出です。
私の離島での楽しみ方は
とにかく何もしないこと
です。特別な観光をするよりも、散歩して昼寝して、そこでの空気や人との交流を楽しむだけ。特別美味しいものを食べるわけでもなく、地元の食堂で唐揚げ定食を食べるだけでも心がすーっと現れるように清々しい気持ちになります。
この時間が好きすぎて、ここから3年間。私は毎年、瀬戸内海を訪れ続けました。
瀬戸内海・離島を楽しむ5つの方法
瀬戸内海には、700以上の島々が連なっています。日本の地中海とも言われる温暖な気候と穏やかな人々。
正直美味しいものや海遊びを期待するとちょっとがっかりするかもしれません。でもこの美しい景色だけで満足できるはず。
直島でアートを満喫する
直島は、海外でも有名なアートの島です。ベネッセが島のいたるところにアートを散りばめています。小さな離島ですが、日本の有名な建築家の安藤忠雄さんが設計した地中美術館があり、水玉柄のかぼちゃで有名な草間彌生さんの巨大かぼちゃが船着場においてあります。
街を歩けば、普通ではお目にかかれないアートと自然のコラボレーションに圧倒されることは間違いありません。私自身も初めてそれを目にした時は興奮しました。
山歩きをしていたら、ネコバスのていりゅうじょに遭遇。ただ、散歩しているだけで面白いアートに出会うことができる島なんです。
豊島美術館で昼寝
瀬戸内海を旅するなら、豊島美術館はぜひ足を運んで欲しいスポットです。森の中に佇むこの美術館。天井にはぽっかりと穴が空いています。床からは小さな水滴が湧き上がり、何もないけど全部ある。そんな空間です。
来場者はこの空間でおもいおもいの時間を過ごすことができます。ぼーっと立尽す人がいれば、座って水滴を眺める人もいます。私は寝っ転がって、ぽっかりと空いた穴から空を見上げるのが好き。目を瞑ると、思わず昼寝してしまいそうな心地よさです。
豊島の海のレストランでランチ
豊島美術館に行くなら午前中。帰りに、海のレストランでランチを食べましょう。海辺のオープンテラスで食べる料理は格別の美味しさです。本格的なフレンチが1200円で堪能できます。
旬の魚や豊島でできた野菜を使った料理。海風を感じながら、贅沢なひと時をたのしめるはずです。
蒸し野菜にオリーブオイルをかけただけで極上のうまさだったので、ここで出会ったグリーンレモンオリーブオイルは購入して自宅でも堪能しました。でも美味しさが全然違うんです。景色分、美味しさが上乗せされて感動的だったのかもしれません。
犬島で風を感じる
犬島精錬所美術館 発電所跡がある犬島。現在は使われていない廃墟となった発電所跡は、なんだか幻想的で、ジブリの世界に迷い込んでしまったかのような錯覚さえ覚えます。
中に入ることもできて、こちらも幻想的。トンネルのように暗い通路はどこからから風の音がして、光が差し込み、印象的な体験でした。
離島サイクリング
直島や豊島をめぐるときには、電動自転車をレンタルしましょう。夏の日差しの中、小学生に戻ったように島の坂道をブレーキもかけずに思いっきり下る瞬間は爽快です!
この坂は豊島美術館の手前。急な下り坂は、まるで自転車で海にダイブするかのような錯覚さえおこします。
めっっっっちゃ、気持ちいいです。
瀬戸内海の離島旅で期待してはいけないこと
逆に瀬戸内海の旅で期待してはいけないことがあります。綺麗なビーチがあって、妄想が膨らんで行ってがっかりなんてことにならないように、肝に命じておきましょう。
海遊びはあまりない
こんなに海があるのに、なぜか瀬戸内海の島々では海遊びスポットがあまりありません。直島に至ってはビーチがあっても誰も泳いでいません。ですから、ビーチリゾートを想像して行くと、心の底からがっかりすることになるので気をつけてください。
食事処は少ない
海に囲まれた島々ですが、お食事処は多くないです。直島では特に魚料理を食べようとすると至難の技です。ホテルのレストランは間違いなく美味しいですが、間違いなくお高いです。
移動焼けする
ビーチで日焼けすることはありませんが、島旅の基本移動は自転車。自転車焼けします。真夏なら1日で真っ黒です。タクシーやバスもありますが、時間に縛られるので行動範囲が狭くなりがち。島旅は電動自転車が一番なんです。
島人との交流
私も多少は交流しましたが、沖縄と違ってちょっと人見知りな感じの人が多い印象です。直島は観光で大成功し、土地の値段が爆上がり。地主だった島民はお金持ちになって、すごく立派な家を建てています。昔ながらの家や農業風景を想像していたらそれは間違い。近代的で立派な家で優雅に暮らされています。なので、あまり観光客と触れ合う接客業をしている人は少ないです。むしろ接客しているのは都会から働きに来ている若者の確立が高めです。
島巡り
小さい島がたくさんあるのでめぐりたくなりますが、移動は船。1日に巡れる数は限られています。そして、島内では自転車移動が基本なので、体力が追いつきません。島巡りするなら1週間くらいのスケジュールでいきましょう。じゃないと、大人にはかなりハードな旅になります。
東京⇆直島の移動時間
都内から新幹線で岡山まで移動したあと、鈍行列車で宇野港へ。そこから船に乗って直島を目指します。
- 東京→岡山 3時間半
- 岡山→宇野港 1時間
- 宇野港→直島 20分
合計約5時間!しかも、この間に待ち時間が結構あります。余裕で海外行けますね(笑)。でもここまでしても行きたかった。そして、その評判は海外でも広がっていて、冬はフランス人で溢れているそうです。アートが好きなフランスでは、直島の素晴らしさが伝わっていて、わざわざ東京観光の後に直島に立ち寄って帰る方も多いそう。
まとめ:なんにもしないは今必要な旅スタイルかも
コロナ禍でも経済を回すためのGo toキャンペーンは賛否ありそうですが、大人数で騒いだり、移動方法を間違わなければ、自然の中での旅は”密”とは無縁です。今、瀬戸内の島々がどういう状態かはわかりませんが、コロナが落ち着いたらみなさんぜひ、離島旅を堪能してください。