お金EXPO2019で、フィデリティ証券のセミナーを受けた際「投資信託のリスク」についてお話を聞きました。自分が投資している投資信託のリスクについては、深く考えたことがなかったのでこの機会にシミュレーションしてみると興味深い未来が見えてきました。
投資信託のリスクとは
投資におけるリスクとは、結果が不確実であることを指し示します。リターンが大きければ、リスクも大きくなります。
ボリンジャーバンド(標準偏差)をみる
想定リターンは、平均値です。これにプラスして、
- ±2σ=約95%
- ±1σ=約68%
※確率値動きがこの範囲に収まる
この2つの数値も見る必要があります。ボリンジャーバンドと言われるこのラインは、高校の時にお世話になった”偏差値”みたいなもの。想定する条件上での標準偏差値=想定リターンになり、95%の確率で±2σの範囲内に値が収まるとされています。
投資信託におけるリスクとリターンは、切っても切り離せない表裏一体の存在。リターンが高ければリスクもその分高くなる…とは必ずしも言い切れないのです。リスクについては、ファンド別に数値を公開しています。
<リターン5%の場合のリスク別想定リターン(標準偏差)>
リスク | -2σ | -1σ | 想定リターン | -1σ | +2σ |
10% | 104万円 | 133万円 | 155万円 | 181万円 | 232万円 |
20% | 61万円 | 100万円 | 136万円 | 184万円 | 302万円 |
30% | 33万円 | 70万円 | 110万円 | 172万円 | 358万円 |
40% | 17万円 | 45万円 | 82万円 | 149万円 | 391万円 |
※100万円を10年間運用した場合
上記は標準偏差なので、この金額に収まる可能性が高いという確率です。リターンが同じであれば、リスクは小さい方が利益が多くなる確率が高くなることがわかります。
また、リスクが大きくなれば、利益の上限は高くなりますが、標準偏差は下がっていますので、マイナスになる確率が上がります。リスク40%の場合、-2σの加減が17万円です。95%の中にこの数値が入っていることは投資家としては恐怖なのではないでしょうか。
私たちが買うべきなのは
- リターン:高
- リスク:低
- 運用手数料:低
この3つの条件が整った投資信託であることは明確です。私はリスクについての考えが漏れていたので、いくつかの投資信託のリスクについてチェックしました。
投資信託の想定リターンの調べ方
ネットを活用すれば、自分で想定リターンを計算することが可能です。これらのシミュレーションには運用定数料が含まれていないので、要注意。
投資信託のリターン(年率)を確認
今回は、みんな大好き楽天のバンガード”楽天・全米株式インデックス・ファンド”の数値を見て見ることにします。
投資信託の商品別ページ下部に、上記のリスクリターン詳細があります。ここに必要情報が入っています。
楽天・全米株式インデックス・ファンドの場合、運用からまだ日が経っていませんので今回は1年の数字でみることにします。
楽天・全米株式インデックス・ファンドのリターン(年率)は、5.99%です。
投資信託のリスク(年率)を確認
次にリスク(年率)を見ます。
楽天・全米株式インデックス・ファンドのリスク(年率)は18.43%です。
シミュレーションで計算
上記の数値を、明治安田アセットマネジメントの投資シミュレーションに入力します。
今回は、わかりやすく100万円を10年間置きっ放しにした場合の標準偏差を見てみます。
結果がこちら…
楽天・全米株式インデックス・ファンドを
100万円購入して
10年間放置すると
想定リターンは154万円
という結果になりました。
68%の確率で…
95%の中に、元本割れが入っていることは想定外でしたが、リスクが18%ならそうなるのか…という印象。絶対に元本割れしたく無いのなら、リスクが10%以下の商品を探すべきだと思います。
ほかの投資信託のリスクとリターンは?
楽天バンガード以外の投資信託のリスクはどれくらいなのか見てみました。ちなみにTOPIX(東証株価指数)のリスクは18%でした。これが平均的なリスクと考えていていいのかもしれません。
各投信は運用年数によってパフォーマンス年数が違うので、各商品の最大年数の数値を見ています。
ひふみ投信
- リターン:12.75%
- リスク:18.81%
- 評価額:289万円
5年間の長期で見るとひふみ投信の成績は眼を見張るものがあります。皆がこぞって投資していたのも納得の好成績!しかし1年で見て見ると…
- リターン:2.67%
- リスク:17.43%
- 評価額:110万円
と、がくんと成績がさがります。今後もひふみに投資すべきか否か悩むところ…。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
- リターン:5.84%
- リスク:17.14%
- 評価額:155万円
安定感のある全世界インデックスは、安定のパフォーマンスが期待できそうです。元本割れの可能性もありますが…。
ベトナム成長株インカムファンド
- リターン:6.45%
- リスク:20.59%
- 評価額:155万円
ベトナム投資は、思いの外標準偏差が高い印象。全世界インデックスと同じくらいの成績が期待できます。
しかし、運用手数料1.881%と割高なので、利益は全世界インデックスに負けます。
ニッセイグローバルリートインデックスファンド
- リターン:4.05%
- リスク:15.27%
- 評価額:133万円
安定感があると思っていたリートですが、リスクは以外にも高めでした。そして、元本割れとなる可能性も他と比べて高め。安定資産としてリートや債券を持つのであれば、リスクは必ずチェックすべきだなと思いました。全てのリートのリスクが低いわけではない。
まとめ:投資信託のリスクを調べて投資額がいくらになるか想定しておこう
投資信託のリスクが公開されていることも知らなかったので、今回はフィデイリティ証券のセミナーを聞いて、大変勉強になりました。自分でしっかりとシミュレーションをして、リスクとリターンを把握した上で、投資に臨みたいと思います。
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