毎月女性にやってくる生理。閉経を迎えるまで、女性は約40年間、生理と付き合うことになります。毎月3〜5日間、生理の間は生理用ナプキンやタンポンで経血を吸い取るのが日本では一般的。でも海外では、生理用ナプキンを使わなくなっています。
生理との付き合い方
日本の女性の生理用品のメインは、ナプキンとタンポンです。
少し古い資料ですが、女性に使っている生理用品をヒアリングしたところ、ナプキンやタンポンという答えが90%以上。私も小学生で初潮を迎えた時に教えられたのがナプキンの着用でした。それから25年間、ずっと特に何も考えずにナプキンを使ってきたのです。
でもナプキンって、すっっっっっごく不快なんです。ごわごわして、肌が擦れるし、トイレのたびに、付け替えるのも面倒。
よく考えてみると、女性は1ヶ月に3〜5日間の生理期間があり、その間ナプキンを着用しています。5日間だとすると、1ヶ月の6分の1の時間、ナプキンをつけているってこと。それを続けること40年間も!
少しでも快適に残りの生理期間を過ごしたくて、今ある生理用品をまとめてみました。
生理用ナプキン
日本で最も一般的な生理用品です。
薬局に並ぶのはソフィやロリエなど。一般的な生理用ナプキンは、
- 表面材
- 吸収体
- 防漏材
- ズレ止め材
に分かれています。表面材は、開孔フィルム・不織布の2タイプがあります。開孔フィルムは、石油由来の素材で、環境にも自分の体にもあまり優しいとは言えません。
不織布は、オーガニックコットンなどでできているものもあり、開孔フィルムよりはまだ体に優しいと言われています。どちらもプラスチック添加剤が含まれているので、少量ずつ子宮から体内に取り込まれている可能性があり、あまり体にとって良いものだとは言えません。
タンポン
筒状の給水素材を子宮に挿入する方法。初めてみたときは恐怖におののいたものです。日本での利用率は2〜3割と低めです。
1970年代後半に、アメリカでタンポンの使用者に高熱、下痢、吐き気、発疹といった”タンポンショック”が起こり、生産を中止するメーカーも出て、今ではユニチャームのみが販売しています。
子宮に異物を挿入するので、抜けなくなったり細菌感染のリスクがあったり。私もできるだけ避けてきた生理用品です。
布ナプキン
日本では普及率が比較的高い布ナプキン。でも衛生面で、あまり医師からは推奨されていません。吸水性が低いため、濡れたナプキンが肌について、体の体温を下げてしまうそう。
月経カップ
シリコン製のカップを挿入して経血をためる方法です。経血は4~12時間ごとに捨てる必要があります。医療用シリコンやゴム、ラテックス製の素材なので、感染症のリスクは低いと考えられています。
ただ、使用にはかなりコツがいるのと、長時間の着用は感染症のリスクが高まることから推奨されていません。またカップは5000円ほどと高価。10年は使用できるそうですが、手軽に試せる方法ではなさそう。
低用量ピル
生理用品というわけではありませんが、生理を軽くするために低用量ピルを服用する人もいます。
主に激しい生理痛や生理不順な方が服用している低用量ピル。生理が完全にとまるわけではなく、経血の量が減ったり、期間が短くなるなど生理を軽くする効果があります。
生理が軽ければ、生理用品を使う量や期間も減るので楽ですが、体に負荷がかかり、薬が合わずに不調になってしまう人もいます。
生理用ナプキンを断捨離する2つのメリット
日本でメインになっている生理用ナプキンは、前述したようにポリエステルなど石油由来のプラスチック素材が使われています。生理用ナプキンが断捨離できたら、環境にも自分にも優しいんです。メリットしかない!
環境に優しい
実は生理用ナプキンには結構な量のプラスチックが使われています。
「生理用品が消費するプラスチックの量」といわれても、ピンとこないだろう。女性は平均で40年間、生理を経験する。月に1度、5日間ほど出血があり、期間中に20枚のナプキンを消費する。
plastics fighters
つまり、1人の女性が9,600枚のナプキンを人生で使う試算になる。1つのナプキンに含まれるプラスチックの量は、レジ袋4枚分程。女性は生涯で、38,400枚ものレジ袋に値する量を消費しているようなものだ。
1つのナプキンにレジ袋4枚分。しかもこれ、リサイクルされません。(生理用ナプキンをリサイクルに分別している人、いるんでしょうか)海へ捨てられるプラスチック第5位だそうです。
持続可能な未来のために、環境への負荷も考えて、特にプラスチック製の生理用ナプキンは断捨離したほうがよさそうです。
自分に優しい
石油から作られるケミカルナプキンの表面は、ポリエチレンやポリプロピレンの不織布で漂白されています。内部には、高分子ポリマーの吸収剤、消臭剤や香料など、何種類もの化学物質が含まれています。経皮吸収率は、腕の内側を1倍としたとき、デリケートゾーンは42倍。有害な物質が、どんどん子宮内に取り込まれてしまいます。プラスチック製品から溶け出す超微量の環境ホルモンが、生殖機能に悪影響を与えるということは、医学の世界でもとりだたされているのです。
生理用ナプキンは、使用前に洗浄もできませんし、製造過程でついた化学薬品をそのまま皮膚に身に付けることになりますので、できるだけ避けたほうがよさそう。
また、2-3時間に1回のタイミングで、ナプキンを交換するストレスもあり。ごわごわした履き心地から解放されることで、心も健やかに過ごせます。
2つの超吸収型生理ショーツを使ってみた
生理用ナプキンを断捨離したいと思って調べて見つけたのが、ショーツのみで経血を吸収できる”超吸収型生理ショーツ”です。
普通の下着のようにこれ1枚履くだけでOK。洗って繰り返し使えて、数時間毎のナプキン交換も不要。本当は全ての素材がオーガニックコットンでできているショーツを探したのですが、残念ながら、存在しませんでした。素材にポリエステルが使用されていますが、毎日洗って使えるし、今回はその部分は許容して、2つのブランドの超吸収型生理ショーツを試してみました。
Bé-A(ベア)¥6,900+税
5つの吸収層で約120mlの水分を蓄えられるBé-A(ベア)。
ボクサータイプ型のしっかりとお尻を包み込むようなデザインが特徴的です。触った感じは、水着みたいな感じ。厚手の生地ですが、経血を吸収する箇所はさらに分厚い。お腹部分は、温め加工がされていて、生理の時の冷えからくる痛みが軽減されそう。
メリット
- 吸収力が高くて漏れにくく安心感がある
- おへそ下まですっぽりお腹を温めてくれる
デメリット
- デザインがイマイチ
- 生地が分厚いので、着る服を選ぶ
- 夏は暑そう
- デザインが1パターンのみ
- 値段が高い
感想
厚手の生地でめちゃくちゃ安心感があります。多い日でも不安はありませんでした。
ハイウエストで、おへその下まですっぽり。冷えると生理痛って酷くなるので、お腹まで温めてくれるのは嬉しいポイント。
でもデザインがイマイチで、スパッツみたいな感じが気になるところ。ただ、生理中のショーツなんて誰に見せるってわけでもないので、全然許容範囲です。
Nagi(ナギ)¥5,400 + 税
日本の安全な生地メーカーの生地を使用し、高い技術を持つ国内の工場で1枚1枚丁寧に人の手で縫製しているNagi。 私はスタンダードタイプを選びましたが、スリム(細身のデザイン)とフル(大きめで夜でも安心タイプ)の3つの形と、カラーバリエーションも豊富。ファッション業界の友人たちは、Nagiを使っている人が多いので、感度が高いおしゃれな人はこちらがおすすめ。
スタンダートは、およそナプキン3枚分の吸水量(30mL)がありますので、経血量が多くない人は、1日使っても大丈夫そう。
メリット
- 普通のショーツのようなデザインで使いやすい
- 比較的薄手
デメリット
- 経血が多い日は不安
感想
Be-Aに比べると、普通のショーツに近いデザインで使いやすいです。デザインが選べるのもいい!
給水量はベアの4分の1なので、正直多い日は不安かなと思ったのですが、私には十分でした。
いつものショーツと同じように着用できて、生理用ナプキンが不要なので、とても快適!経血量が多くない人はNagiで十分かなと思いました。
もしこれから生理用ナプキンを断捨離する人がいたら、私はNagiをお勧めします。
まとめ:もうナプキンには戻れない…
超吸収型生理ショーツを使って見た感想、それは
全然、漏れない!
快適すぎる!!
なんで今までやらなかったんだ!!!
です。
メリットに感じたのは…
- 数時間毎にナプキンを取り換える手間がない
- ごわごわしないから生理中でも快適
- 生理用ナプキンを買わなくていい
- トイレから生理用ゴミ箱をなくした
デメリットに感じたのは…
- 初期投資が高い
- 毎晩手洗いする手間が増える
- ポリエステルフリーは存在しない
でした。
しかし、あの生理用ナプキンのごわごわにはもう戻れません!2枚あればローテーションで使えるので、しばらくはこのショーツで整理を乗り切れそうです。
ただ、経皮吸収の面を考えると表面がポリエステルフリーの製品を待ち望んでしまいます。その部分が気になる方は、現在のところオーガニックコットンでできた布ナプキンが一番かもしれません。
なんにせよ、日本の女性たちも、使い捨ての化学薬品たっぷりの生理用ナプキンからは、早いところ離脱することを強く強くお勧めします。