元ファッション誌にいたと話すと、大抵「おしゃれ」について語られて、ちょっとした持論などを語られたり。でも、この歳になって思うのです。おしゃれは自己満足。誰にどう思われようが構わない。大切なのは自分の気分が上がるのかどうか、だということを。それは誰かに話したり、誰かに評価されるべきことではないと言うことを。
おしゃれは自己満足でいい
人は外見でなく中身が大事だとか、そういった思想を持っているわけではありません。
私にとってファッションは
- 10代…無縁なもの
- 20代…人生の全て
- 30代…そこにあるだけ
という変革を遂げてきました。20代に人生のほぼ全てをファッションに捧げたと言っても過言ではありません。お金も時間も全てをファッションに投下して、身の丈に合わない高価な服やバッグを身につけたり、自分の理想に合う古着を探して1日中古着屋巡りをしたり。
そんな10年を経て、30歳になって思うことは
ファッションは自己満足
誰かのためにするものではない
ということです。そして私の周りには「●●に見られたくないから」というマイナスの理由でおしゃれの努力を重ねる人が多く、たいていその人たちは疲れ切っています。
30代はおしゃれは自分のために
20代、私の周りにはファッション中毒な友人たちしかいませんでした。彼女たちは
自分が好きな服しか着ない
人たちでした。そして今もそうです。
30代、私はIT企業に転職して驚愕します。自分がどんなおしゃれをすればいいかわからない人が多くいたからです。そしてそんな人ほどユニクロやGUといったファストファッションを利用せず、ブランドの洋服を着ていました。
自信がないからブランドの洋服を選ぶ
彼らの多くは「ダサい」と思われることを極端に嫌っていました。私に
「お願いだから、洋服を買いに行くのに付き合って!」
と、頼み込んできたこともあります。彼らは、自分のセンスに自信がなかったからです。
私が「好きな服を選べばいいじゃん」というと、「自信がない」と言います。そして、「ディーゼルだったらいい?それともバーバリー?」と、私にブランド名を言うので、びっくりしたことを覚えています。
おしゃれは自分のためでいい理由
私は100%おしゃれは自分のためでいいと思っています。T.P.O.に合わせて〜なんて言う人もいるし、そんなシーンもあることはあります。例えば結婚式や葬式といった冠婚葬祭はその類です。
でもそれ以外で、自分が好きな服を着て何が悪いのか。
大して関係の深くない人のご機嫌取りのために、洋服を選ぶ必要はありません。だって洋服はタダじゃない。お金を支払ってあなたが買うのです。だったら自分が満足できるものを買うべき。
自分が思うほど他人は自分の服装に興味がない
自分の服装を気にする同僚を見ていて思うことは
他人はそんなに自分のことを見ていない
と言うことです。
だから何をしてもいいと言うわけではありませんが、過度に気にする必要はゼロ。私は隣に座るデザイナーが髪を真っピンクに染めても「めっちゃ綺麗に染まったね!」って10秒くらい話したら、終わり。それ以降は、そんなに気に留めません。彼女はそれを自分が好きでやっているだけだから、それ以上の感情も以下でもない。
自分にとって心地よいものをまとうべき
ファッションは自分がどうなりたいか、ということのアウトプットです。おしゃれになりたいかどうか、本当に自分に問いかけてみるべき。
- 着心地よく楽な服装が好み
- 毎日違う服を選ぶのが面倒
- 周りにおしゃれと思われたい
- 男の人への好感度を上げたい
それぞれ目的が違えば手段が異なります。大切なことは、自分がどうありたいかということ。
例えば、1を重視するなら、オーガニックコットンの肌触りがいいカットソーとウエストがゴムのパンツで毎日リラックスをまとうと満足度はあがるはず。
2を重視するなら、自分ユニフォームを決めて同じ服を毎日着るor2着買って毎日洗濯すればいい。
みんなが「わ!あの人おしゃれ!」と思われる必要はない。
おしゃれに迷ったらみるべき映画&本
ファッションは毎日の生活に密着しています。だからこそストレスの元になることは避けたい事柄。迷いが生まれたら、なるだけ早く解決策を見つけるべきです。そして、その答えは本や映画にあることが多いです。
オーバー60歳のNYマダムのおしゃれ感から学ぶ
60歳以上のマダムのファッションライフを綴ったドキュメンタリーです。彼女たちの発する言葉ひとつひとつに重みがあり、自分の人生にとってファッションが如何なる存在なのかと考えさせられます。
例えば、93歳の画家イロナは「おしゃれは自分のためよ」胸を張って言います。お気に入りのつけまつ毛の職人が亡くなったあと、今は自分の髪を使ってつけまつ毛を自作して納得のいくものを作っているそう。しかも色はオレンジです!
彼女たちの生活を見ていると、やはり好きなものをまとうことがどれだけパワーになるかを思い知らされます。
自分のクローゼットと向き合いたくなる本
ファッションアドクトな著者が1年間服を買わないチャレンジをするという内容。毎日のように服を買っていても…
毎日、着る服がない!
と思っている著者の気持ち。めちゃくちゃわかります。それはなぜなのか。毎日違う服が着たいからです。しかしそこには着回しの呪縛があります。なぜ毎日同じ服を着なければならないのか。そんなこと、本当に可能なのか。それって、ファッション雑誌が私たちにかけた呪いでしかないのではないか。
私もこの本を読んで、3ヶ月洋服を買わないチャレンジをしました。感想は
- 服は買わなくてもなんとかなる(すでにたくさん持っているから)
- インスタや雑誌を見なければ欲しくならない
- 欲しくなっても「本当に使うか」冷静に考えると欲しくなくなる
です。もし今、おしゃれのために大量のお金をつぎ込んで公開しているけどやめられない(昔の私)人がいたら、ぜひこの本を読んでみてほしいです。
まとめ:誰かのための服を買うお金はもったいない
自分が好きで気持ちが上がるなら10万円のTシャツも価値があります。でも世間の人にダサいと思われたくないから10万円のTシャツを買うのは、もったいなさすぎます。
私は同僚の買い物に数回付き合っています(笑)。彼らは自信がなく、ブランドものを買いたがるけど、30歳すぎてブランドロゴがついているものを身にまとうのは如何なものかな…とおもい、ユニクロに案内します。最初は抵抗するけど、着てみるとその良さを実感してリピートしてくれます。そして、彼らは気がつくのです。
おしゃれに見られる必要は自分にはないのだ
と。清潔感があれば十分。ユニクロUのTシャツが気に入って、黒Tを5枚買って、この夏を過ごしたエンジニアもいます。毎日同じ服装だけど、きちんと選択しているから、清潔感もあるし、毎日服装に悩まなくていい。
彼にとってはそれがベストなファッションでした。
人によって、ベストなスタイルは違うから。自分にとって最適なおしゃれとの付き合い方を見つけて欲しいです。