株式市場は世界中にあります。世界の中心は何と言ってもニューヨーク。そしてロンドン、上海、香港、トロント、オーストラリアなど。日本にも、東京を中心に全国にいくつかの株式市場があります。それぞれ取り扱う銘柄に特徴があり、部門が別れています。市場ごとに上場基準があり、その特徴を捉えれば、どの市場にある銘柄かで企業のステイタスがわかるのです。
日本の株式市場は4種類
日本の株式市場は、下記の4種類です。主な取引所は、東京証券取引所で、日本の株取引の中で最も重要です。東京証券取引所は6つの部門に分かれており、それぞれ特徴が異なります。
以前は大阪にも証券取引所がありましたが、東京証券取引所と統合して、「大阪取引所」となっています。東京取引証券所、名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福岡証券取引所は現物取引ですが、大阪取引所はデリバティブ市場で、指数先物取引や国債先物オプション取引などの取引を行っています。夜間取引も大阪取引所を介して行います。
東京証券取引所
通称・東証(とうしょう)。日本で最も株取引が多い主要取引所。6つの部門に分かれています。詳しくは後述しますが、東京証券取引所は日本の株取引の半数以上を占める巨大市場です。時価総額で行くとニューヨークの次に大きいマーケットです。
名古屋証券取引所
通称・名証(めいしょう)。愛知・名古屋に本社がある企業が多く上場しています。名証一部、名証二部、セントレックスの3部門に分かれており、一部と二部はすでに実績のある大企業が。セントレックスは、今後成長が期待できそうなグロース銘柄があります。
名古屋証券取引所の主な銘柄:東洋電機、ミサワホーム など
札幌証券取引所
通称・札証(さっしょう)。北海道・札幌に本社がある企業が多く上場しています。本則市場、アンビシャスの2部門に分かれており、アンビシャスは北海道に関連している銘柄です。
札幌証券取引所の主な銘柄:ライザップグループ、北海道電気工業 など
福岡証券取引所
通称・福証(ふくしょう)。九州・福岡二本社がある企業が多く上場しています。本則市場、Q-Boardの2部門に分かれています。
福岡証券取引所の主な銘柄:マルタイ、福岡第一交通 など
東京証券取引所とは
日本全国には、株式会社が約170万社あるといわれています。株式を証券取引所でバイバイできるようにすることを「上場」といいます。東京証券取引所では現在、約3,600社が上場しています。
その東京証券取引所に上場するためには基準を満たす必要があり、部門によってその基準は異なります。6つの部門の特徴を覚えておけば、銘柄探しの役に立つはずです。
一部
通称、東証1部。厳格な基準を満たした大企業だけが上場できます。有名な企業のほとんどは東証1部に上場しており、世界でもトップクラスの取引数取引高を誇ります。上場するためには、250億円以上の時価総額が必要です。
東証一部の主な銘柄:トヨタ、ファーストリテイリング、ホンダ、LINE、楽天、DoCoMo など
二部
通称、東証2部。東証1部より少しだけほんのちょっとメジャー度合いが下がります。中堅企業が上場する市場で、日常生活でよくみる優良企業が多数。上場するためには20億円以上の時価総額が必要です。
東証二部の主な銘柄:ブルボン、日本電通、フマキラー、沖縄セルラー など
マザーズ
主にベンチャー企業が上場する市場。ここには、次の大企業になり得ると言える今後活躍するであろう企業が上場しています。近い将来東証一部にステップアップしたいベンチャー企業が集まるため、個人投資家にも注目されています。株価が急騰するのもマザーズの特徴でテンバガーをねらうなら安定している東証一部・二部よりも今後成長が期待できるマザーズに注目するのがおすすめ。
マザーズの主な銘柄:ミクシィ、クラウドワークス、ラスクル、オイシックス・ラ・大地、サンバイオ など
ジャスダック(JASDAQ)
マザーズとほぼ同じ特徴のベンチャー中心新興企業向けの市場です。マザーズとの違いは、スタンダード(一定の事業規模と実績を有する成長企業)とグロース(将来の成長可能性に富んだ企業群)に分かれており、投資家にとって判断しやすいの魅力です。大きな違いは、スタンダードの上場基準が純資産2億円以上であるのに対し、グロースは赤字でなければOK。より安定しているスタンダード化、今後の伸びが期待できるグロースか。また、ジャスダックはマザーズよりも歴史があり、古くからある企業も多いのが特徴です。
ジャスダック(スタンダード)の主な銘柄:アプライド、B−R サーティワン アイスクリーム、きょくとう など
ジャスダック(グロース)の主な銘柄:イデアインターナショナル、フィスコ、シンバイオ製薬 など
上場投信信託(ETF)
投資信託の一種。普通、投資信託は非上場ですが、ETFは上場型投資信託で、株と同じように買うことができます。
不動産投資信託(J-REIT)
こちらも投資信託の一種。上のETFと同様、上場型投資信託で、不動産関連の投資信託になります。
欲しい銘柄別の証券取引所の探し方
上記の特徴を捉えれば、自分の目的にあった銘柄を探しやすくなります。
1.倒産リスクが怖く、安定した企業の株が欲しい → 東証一部
日本のトップ企業がなを連ねる東証一部は、安定企業の宝庫。誰もが知っている大企業ばかりです。上場基準もハードルが高いため、東証一部上場しているというだけで、安定的な経営が続いている証拠です。
2.地味だけど堅調な不況に強い企業の株が欲しい → 東証二部
馴染みがない社名もちらほら出てきますが、東証二部には堅調な優良企業がたっぷりあります。社名は聞いたことがないけれど、その会社が作る商品やサービスを使ったことはあるかも。目立たず地味だけど縁の下の力持ちとして日本を支えている優良企業を見つけたいなら断然東証二部へ。
3.注目のIT企業の成長株にかけたい! → マザーズ or ジャスダック(グロース)
成長が目まぐるしく新興勢力がどんどん出てくるマザーズ。今勢いがある会社を探しているならまずはマザーズをチェエックしてみましょう。実際自分が使っているアプリの配信元や最近目にするサービスが見つかるはずです。また、ジャスダックのグロースも同時にチェックしましょう。この2つの市場は似た特性を持っているためです。成長株を探すなら、マザーズとジャスダックのグロースを同時進行で。
4.老舗の安定企業を見つけたい → ジャスダック(スタンダード)
上場基準が2億以上で、マザーズよりも昔からあるジャスダックには老舗の名店がずらり。規模感は東証二部に劣りますが、細く長く確実に育まれている優良企業に出会うことができるはずです。
まとめ:日本の証券取引所の特徴を掴んでおくと投資にも役立つ!
日本にある証券取引所の種類をご紹介しました。半数以上の上場企業は東証で取り扱われているので、まずは東証の取引所の種類をマスターしましょう。その上で、地方の取引所、そしてニューヨーク、ロンドン、ブラジルなど海外の取引所の知識も深めていけば、欲しい銘柄タイプによってどの取引所で扱っているかがわかります。
また、自分が欲しかった銘柄がどの取引所から上場しているかによって、その企業の成熟度愛や今後の成長について考察することも可能です。