私は特に目標を立てずに投資を始めました。何をゴールにするかが明確ではないので、なんとなく流行っているから…という理由で投資信託を積立で購入していたのが2017年の終わりから2018年。2018年12月に、配当金の存在を知り、そこで初めて「投資の目標」を決めました。投資を始める前に、どんな目的のために、株を運用して、何%の利回りを目指すのかを明確にすると、やるべきことが明確になりました。
そもそも運用利回りって何?
利回りとは、投資した資金で1年間にどれだけの収益を上げられるかということ。株式投資においては、売買益・配当金・株主優待で利益を出すことができます。100万円を1年間運用したとして、10万円の利益を出せたら利回り10%ということになります。
1株あたりの利回り計算方法
売買益・配当金・株主優を合わせた利回りを出す計算式がこちらです。0.8をかけているのは、税金20%を引いているから。NISA枠を使えば、こちらは必要ありません。
*一般口座の場合
「(売値-買値)×保有数×0.8+(配当金+(株主優待の価値))×0.8」÷投資資金
*NISA枠利用の場合
「(売値-買値)×保有数+(配当金+(株主優待の価値))」÷投資資金
株主優待は価値を置き換えるのが難しい場合もありますが、カタログギフトなどでも●●円相当と記載がある場合も多いので、その金額で計算します。また、権利確定日に株を保有していないと、配当金と株主優待はもらうことができないので注意が必要!
目標利回りは、初心者は5%、理想は10%
利回りが高いと、必然的にリスクも高くなります。個人投資家の8割はマイナスの結果となっていることからも、副業として株を始めてみようという方には、ハイリスクハイリターンな投資は、あまりオススメできません。個人投資家の期待利回りは5-6%と言われています。なので、私も利回り5%を目標にしました。安定的な利回りが確保できるようになったら平均以上の利回り10%を狙ってみようと思います。
個人投資家がプロに負けないために
高い利回りを手に入れるためには、プロの投資家に勝たなくてはいけません。そして、個人投資家が株式投資でプロの投資家に負けないための唯一の方法は「長期投資」。短期売買の場合、専業で張り付いているプロの投資家たちには太刀打ちできません。しかし、じっくりコツコツ積み上げる長期投資なら個人投資家にもチャンスがあります。
そもそもプロの投資家たちは、証券会社のファンドマネージャーや年金や保険資金を運用する機関投資家といった、プロ中のプロ。銘柄分析や情報量で個人が敵うはず、ありませんよね…?私は平日の昼間は別の仕事をしていますが、彼らはずっと相場に張り付いているのです。
しかし、彼らはプロであるがために短期間で結果を出すことが求められます。数年後に上昇するはず…という株を持っていても今年の成績が悪ければ最悪の場合、職を失うことになってしまいます。その点、個人投資家は短期で成果をあげなくても問題なし。じっくりとその企業が評価される時を待てばいいのです。
もちろん保有するのは、将来有望な企業でないと自信は持てない。業績が伸びず株価が上がらない企業の株はいくら長期保有しても利益にならないからです。プラスにならないどころか、塩漬け状態になり、売るに売れず機会損失してしまう可能性もあるのでどの株に長期投資するかはじっくり考えてから手を出しましょう。
自分なりの投資の目的を決める方法
平均的な利回りは分かったものの、それは自分の投資目的にあっているのだろうか?と考えました。投資の難しいところは、誰にも相談できないこと。銀行や証券会社にいくと、なんだかよくわからないものを売りつけられそうだし、FPに相談すると高そう…。だから自分でとにかく調べ得て勉強するしかなかったんです。
投資を始める理由が明確なら、その投資目的に対して、リスクはどれくらい許容できるか?どの程度の利益を出したいか?目的と目標をしっかりと確認することで、自分にあった投資方法が見えてきます。
目標利回り10%以上
大きく利益を上げたい!という目標がある方はこのくらいの利回りはほしいはず。でもお金が欲しい理由ってなんでしょう。住宅購入、結婚など、短期間にまとまった金額が必要ということなら、正直なところ投資以外の方法がいいのではと思ってしまいます。前にも述べたように短期で利益を上げるためには、プロ投資家並みの知識と情報収集能力が必要だからです。
それでも一攫千金を狙いたいという方は、IPO投資や新興国株投資にチャレンジしてみるものあり。IPOは新しく上場する企業の株を公募で購入して初値で売る手法ですが、値上がりしそうな企業ほど当選確率が低く、なかなか当たりません。また、新興国株式は、売買益が狙えますが、その分暴落や為替リスクがあり、資産を減らす可能性も拭えません。
目標利回り5% ←私はコレ
現在はサラリーマンとして働いているけれども、できれば働きたくない。できるだけ早く早期リタイアしたいというFIREという価値観が欧米を中心にじわじわと広がっています。そんな方にオススメなのは、配当金投資です。配当金は、会社の利益の一部を株主に還元するもの。株を持っている限り、毎年1-2回もらえます。配当は、利益に応じて上下し、持っている株数分を年に1〜2回、受け取ることができます。日本ではJTが現在5%ほどの配当利回りで運用可能。100株持っていれば15,000円の不労所得が手に入ります。配当で手に入れたお金は、新たな投資資金に回しましょう。複利のパワーでどんどん元金が大きくなっていきます。
また、年齢が若く多少のリスクが取れるのであれば、配当利回りの高いアメリカ株にも注目したいところ。7-8%の利回りの企業も多く、配当が安定しています。私はETFへの投資準備をしています。ただし、アメリカと日本で二重課税されてしまうので、確定申告が必須で一手間かかってしまいます。
<10万円を25年間毎月投資した場合(配当利回り5%)>
元金:3000万円
税引後の元金利息合計:5094万円
毎月10万円ずつの投資に回すと、25年で5000万円の資産ができることになります。この5000万円を利回り5%で運用すると、年間200万円の不労所得が手に入り、月々16.6万円。贅沢しなければ生活できるだけの資金ではないでしょうか。22歳からスタートすれば、47歳で早期リタイアが可能!羨ましいです。私も今から遅いスタートですが頑張ります!
目標利回り3%
将来年金がもらえるか不安で投資を始めたいなら、投資信託で十分な気がします。投資信託は、プロが運用するので株の知識は必要なく、余計な手間がかかりません。毎月一定額積み立てていき、経済成長に合わせて資産が増えるインデックス投資が人気です。平均的な利回りは2-3%ほど。来るべき老後のために、少しでも資産を増やしたいが大きなリスクは取りたくないという方には最適な方法です。
<投資信託の選び方>
・運用コストが安い
アクティブファンドとインデックスファンドでは運用手数料が数倍違います。毎年払い続けなければならない運用コストは少しでも安い方が利益は出やすいです。
・購入手数料無料である
投資信託を毎月積み立てていく場合、購入手数料無料(ノーロード)であることはマスト条件です。
・再投資型であること
投資信託の分配金の受け取りは、再投資と受け取りの2種類があります。受け取りの場合、複利効果が薄れてしまいます。老後のための長期投資であるならば、再投資型で複利のパワーを最大限に享受できます!
まとめ
目的に応じた株の運用利回りをまとめてみました。目標を定めると、いったいいくら投資に回してどれだけの利回りで運用するべきかが明確になり、投資手法や必要な元金が見えてきます。まずは現状を把握して、投資を始める前に自分が考える投資のゴールを考えるのが大切です。