桐谷さんのトークショーを聞くと、いつも「株主優待って素晴らしい!」と開眼させられます。今回は優待の起源や個人投資家に与えるメリットとデメリットに注目してみました。
株主優待の起源
株主優待の起源については、諸説ありますが、日本で昔から伝わるお中元やお歳暮と同じく、
企業から投資家への感謝の気持ち
から始まったという説が有力です。
株主優待の最も古い記録は、東武鉄道。
社史に
1899年、300株以上保有の株主に全線無料パスを配布した
と記されています。東武鉄道はこの優待を今も継続しており、現在は5,800株以上保有で、全線無料パスがもらえます。120年の歴史の中で、300株から5800株にもらえる株数が変化しているところにも感慨深い思いです。
優待があるのは日本だけ
実は株主優待があるのは、日本だけです。お中元やお歳暮と同じ感謝の気持ちから始まったというのが日本らしい!
アメリカ株を保有しても、優待がもらえることはありません。アメリカでは配当金で株主還元するのが基本です。
株主優待実施銘柄数の推移
1992年から28年間で、株主優待実施銘柄数は右肩上がり。現在1536社が優待を実施しており、上場銘柄の37%が優待制度を持っています。1992年には全体の9%でしたので、この28年で上場企業の中で株主優待制度が浸透していることがわかります。
優待の種類は、食品、ついで金券・ギフトがあります。金券・ギフトはここ数年伸びており、クオカードがその筆頭。自社製品を優待にする企業に比べてクオカードは廃止のリスクが高い傾向があります。
株主優待が有利な人・不利な人
優待制度には賛否両論あります。配当金は取得株数に対して平等に配当金という利益を得られるのに対して、優待は取得株数と対価が一致しないことがおおいのです。
ですから、優待が手厚い株は個人投資家には人気で、機関投資家には不人気です。
<100株以上取得で1000円の食事券がもらえる場合>
100株保有の個人投資家 →1000円の食事券
10000株保有の機関投資家 →1000円の食事券
そう、もらえる優待は同じなのです。
「これは、不平等!だったら配当金を上げろ!」というのが機関投資家の意見ですが、優待数は右肩上がりに増えています。それには企業なりの理由があるのです。
なぜ、日本企業は優待を実施するのか?
投資家にとってはお得な優待ですが、企業にとってメリットはあるのでしょうか。実は大きなメリットがあります。
それは、個人投資家の比率が増えるためです。そして、それは景気が下がったり企業に危機が訪れたタイミングで発揮されます。
①リーマンショックや経営悪化
②機関投資家が投げ売り
③株価暴落
こちらが、優待がない銘柄の危機的状況時の株価です。
でも優待を目当てに株を取得するのは、個人投資家のみ。さらに1人100株など少数ずつを分散投資します。彼らは、優待がある限り、景気が悪くなっても、企業の利益が落ちても、ホールドして資金を企業に預け続ける可能性が高いのです。
確かに、マクドナルドや吉野家など優待で人気の株は、不祥事があっても底堅く、優待を続けていれば、優待目当ての買いが入ります。
個人投資家に与える優待のメリット
桐谷さんがいつも講演会でお話しされることで印象的なのは、株主優待は少額投資家にこそ優しいということ。桐谷さんは数億円の資産をお持ちなので、少額投資家の定義が1億円以下だとするとほとんどの個人投資家がその分類に当てはまると思います。
ちなみに桐谷さんは、企業からのギフト(優待)を心から感謝しているので、敬意を示して優待クロスは行わないそうです。確かに企業も長期優待して欲しいから優待を出しているのに、クロスで短期取引していたら、実施意図と違いますよね。やっぱり桐谷さん、素敵。
少額投資家ほど利回りが高い
先に記述したように、1単元でも100単元持っていても、もらえる優待は同じ場合がほとんどです。同じ優待がもらえる場合、少額投資家ほど優待利回りが高くなります。
現在、優待を実施している1536社すべてを1単元ずつ買ったら少額投資家から卒業ですね。
株価が底堅い
優待株は個人投資家に人気ですので、機関投資家比率が多い銘柄ほど暴落しにくいです。さらに優待人気によって株価が爆上がりすることもあります。
例えば、トリドールは優待拡充発表によって、株価が右肩上がりです。
ホールド力が上がる
個人的には、優待によって銘柄のホールド力が格段に上がります。基本的には10-20%のキャピタルゲインが生まれた段階で売りたくなるたちですが、優待があると「でも、たこ焼き(の食事券)欲しいしな…」とズルズルホールドしてしまいます。そして、さらに株価が上がり含み益が増えることが多いです。
個人投資家に与える優待のデメリット
優待が個人投資家に与えるデメリットは多くありません。
集中投資すると損
優待株に集中投資することは、おおよそ優待利回りが低くなり損になります。すかいらーくなど、保有数に応じてもらえる優待が増えることもありますが、大抵の場合、100株1単元保有が一番高い利回りになります。
優待廃止&改悪のリスク
これは優待銘柄で一番注意すべき点です。優待がなくなると
- 優待がもらえなくなる
- 株価が下落する
ダブルパンチでダメージを負います。このリスクを回避するために、優待実施機関や、現在の経営状況、自社商品かどうか(自社商品だと原価が安いので廃止や改悪リスクが低い)をチェックする必要があります。
おすすめの優待株
たくさんある優待株。どれから手をつけるべきか迷っているなら、まずは直近ででに入れられる銘柄が何かをチェックするのが優待デビューの近道です。
▼8月に買いたい優待株
▼9月に買いたい優待株
▼12月に買いたい優待株
また欲しいものや自分がよく使っているものを優待で賄うのも節約にきいてくるのでおすすめ。
▼桐谷さんのお気に入り優待株TOP10
▼10万円以下で買える女性におすすめの優待株
▼主婦におすすめな優待株
私が2019年までに取得した優待銘柄です。
銘柄 | 優待内容 | 金額(相当) |
JT | 自社製品 | 2,500円 |
ホットランド | 優待券 | 3,000円 |
日産 | ギフトカード | ー |
ライザップ(200) | カタログギフト | 4,000円 |
フォーシーズ | 自社製品 | 4,000円 |
エコナック | テルマーユ入浴券 | ー |
ラックランド | 自社製品・ECクーポン | 11,000円 |
エコナックは、500株以上の取得で大好きなテルマーユの入浴券がもらえるのですが、まだ100株のみ。3月の権利確定までに400株追加できるか…。どうしても欲しいのですが、買い時がわかりません。500株、取得しました!
まとめ:優待株は個人投資家に有利でお得
2019年は優待株に踊らされた1年でした。お得すぎて優待株の取得が増えてしまったのは、反省点ですが、高配当株といいバランスで優待株を増やしていって、生活を豊かにすることが投資生活を楽しむ秘訣だと思います。2020年は、今年取得した優待を満喫したいと思います!