2019年12月21日(土)にベルサール渋谷で開催された「野村IR資産運用フェア2019」。フィデリティ証券のセミナーに参加しました。スピーカーは取締役副社長 運用本部長 最高投資責任者の丸山隆志氏。セミナーの内容と感想をまとめます。
フィデリティ証券とは
投資信託の販売・運用会社であるフィデリティ・インベスメンツ。2500万人以上の投資家との取引があり、運用資産額は2016年現在で2.1兆ドル。そのフィデリティが日本人投資家向けに運用サービスを行うのがフィデリティ証券です。
モーニングサテライトをご覧の方は、こちらのCMでおなじみかも。
「拝啓ダノフ様〜」から始まるちょっとドラマティックな動画は、印象的で好感が持てます。そんなフィデリティ証券が「野村IR資産運用フェア2019」でセミナーを開催していたので、参加しました。スピーカーがは取締役副社長 運用本部長 最高投資責任者の丸山隆志氏で、かなり勉強になったのでセミナー内容をまとめます。
日本株市場はどうなる?
・2019年度の業績は下期から増益、通気横ばい圏。2020年度は4%の増益を予想
・ガバナンス改善による収益力の向上
・不透明な外部環境に伴い相場は大きく変動することが予想されるが、局面によって25000円を目指す展開を予想
最高投資責任者が見通す2020年のグローバル経済と日本市場 フィデリティ証券
世界と比べて割安な日本株は、2020年には25000円を目指す展開もありうるというのが丸山氏の予想です。
2020年は業種によってリターンが大きく異なることが予想され
- サービス業:バリエーションが高いが株価は堅調に推移
- 半導体・電子部品:業績底打ちが確認できた時点から株価反転
- FA:株価の反転に注目(ただし、自動車製造関連以外)
- 銀行:バリュー株の反転はいつか不明
という分析でした。FA(ファクトリーオートメーション)の分野は、米中貿易摩擦が落ち着けば伸びていくと予想されますが、自動車関連に関しては別。全世界的に自動車の売り上げが伸び悩んでいる中、自動車工場のFA関連は、ほかのFAが伸びても下がる可能性があります。
日産に投資してしまいましたが、やはり全世界的に自動車は厳しいのか…。肌感ではわかっていたことなので、やはり感覚は大事だなと思いました。自分の感覚を信じて投資しよう!
中銀の政策展開と世界景気は?
・FRB、ECBは景気配慮に政策転換
・内需が支える米景気、政策支援の中国
・底堅い業績と自社株買いが支える株価
最高投資責任者が見通す2020年のグローバル経済と日本市場 フィデリティ証券
OECD景気先行き指数で、中国は2019年に反転。世界経済のカギを握るのは、中国景気。最終的にどの程度景気を押し上げられるのかによって、世界経済の行方が決まると言っても過言ではありません。
世界のGDPに対して米中両国間の貿易額は0.8%程度。丸山氏の読みでは、米中貿易摩擦は致命的なリスクではないとのことでしたが、どんなサプライズが起こるのかトランプ氏の言動には注意が必要なのは2020年も変わらず。
アメリカの景気は、内需がしっかりと支えているので、個人消費が堅調な限りリスクは小さいと見ています。
考えられるリスクは?
・米中対立
・米国の景気後退
・金融緩和効果の疑念 → 財政への政策転換
最高投資責任者が見通す2020年のグローバル経済と日本市場 フィデリティ証券
2020年に考えられるリスクは、2019年から引き続きの米中貿易摩擦。しかし、覇権争いであり対立の長期化は必至。折に触れ蒸し返される相場の波乱材料になりそうです。
米国の景気は個人消費が堅調な限りは問題とのことですが、秋の大統領選挙でどんな転換局面が表面化するか不明なので、波乱もあり得そう。
まとめ:大切なのは勉強して自分で考えること
丸山氏の考えや過去の数値は、本当に勉強になりました。日本株はまだまだ安値圏内だし、米中貿易摩擦はそれぞれの思惑によって長期化しそう。
その中で、自分はどんな投資戦略を立てていくのか。
そして、予想外の事態が起こった際にどう行動するのか。
を考えておくのは、投資をやる上で必須。投資のプロの話を聞いたり、世界経済の勉強をして、最適な行動を取れるようにしておきたいと思います。
あ、でも桐谷さんも言っていましたが、専門家は過去から分析して予想するだけ。
未来のことを知っている人は誰もいません。
だからこそ、彼らの分析や予想と自分の感覚を信じて自分の資産を守り増やしていく戦略を立てることが必要なんだと思います。