現在6.61%の高配当であるJT(2914)は、投資家の中でも好き嫌いが分かれる銘柄です。その理由と、JTとの上手な付き合い方について考察しました。ちなみに、含み損たっぷりのhigeですが、株価下落の際は買い増したいと思っている銘柄のひとつです。
JTとは
JTは、日本たばこ産業株式会社の略称。”たばこ”いう社名からタバコのみの取り扱いだと思われがちですが、医療品、食料品、飲料を生産販売する企業です。
もちろん主力はタバコ。1985年に日本専売公社財産の全額出資により設立され、全株式のうち3分の1以上の株式は日本国政府(財務省)が保有しなければならないという法律に基づいて、今尚運営されている半民営会社です。日本産タバコは全量買取で、国産シェア100%を占めます。ちなみに販売シェアは約60%です。
世界シェアは2018年時点で第4位(8.4%)を占めており、特にアジア地域での販売を伸ばしています。
JTが投資家に好かれる理由は、高配当株だから
JTの現在の配当利回りは、6.61%。1株あたり2,323円で取得して年間154円(税引前)の配当金がもらえる計算です。私もつい先日6月の配当金が入金されました。100株保有で、税引後6,136円でした。時給1,000円で6時間分の不労所得ですから、お金が働いて稼いだお金の重さを噛み締めて喜んでいます。
JTは高配当株すぎるから
前述した通り、JTはトップクラスの高配当銘柄です。取得株数ごとに年間配当金を算出すると…
取得株数 | 配当金(税引前・円) |
100 | ¥15,400 |
200 | ¥30,800 |
300 | ¥46,200 |
400 | ¥61,600 |
500 | ¥77,000 |
600 | ¥92,400 |
700 | ¥107,800 |
800 | ¥123,200 |
900 | ¥138,600 |
1000 | ¥154,000 |
1000株(約233万円)取得すると、年間の配当金が15.4万円もらえる計算です。買い増したくなる…!!!
JTは連続増配当株だから
2015年12月 | 2016年12月 | 2017年12月 | 2018年12月 | 2019年12月(予想) | |
1株あたり配当金 | 118 | 130 | 140 | 150 | 154 |
1株あたり利益 | 270 | 235 | 219 | 215 | 202 |
連結配当性向 | 43.6% | 55.2% | 63.9% | 69.7% | 75.9% |
高配当かつ、増配株のJTは投資家から好かれる大きな理由です。1株あたりの配当金は2015年から右肩上がり。しかし1株あたりの利益は小さくなっており、配当性向が急激に高まっているのは懸念のひとつです。
JTは政府の財源になっているから
先に述べたように、日本政府はJTの株式を3分の1以上取得している必要があります。その配当金は年間約1000億円。2019年の国家予算が101兆4564億円ですから、0.1%を占めています。2015年には、財務省が売却益よりも配当金収益をとる方が利益が出るという理由で、JT株の売却見送りました。
財源のひとつである以上、JTは不用意に減配するのは難しいのでは…?というのが投資家の見方です。
JTが投資家から嫌われる理由は、株価が右肩下がりだから
2015年12月期に4,856億円と過去最高益に達しますが、それ以降チャートは右肩下がり。2019年9月4日には上場来安値2,179円をたたき出し、JTホルダーたちの肝を冷やしました。JT株は下げ止まるのか、このままズルズルと株価を下げ続けるのか。含み損を考えると、投資家達に嫌われるのも頷けます。
タバコ産業の衰退
株価が右肩下がりな大きな理由として、タバコ産業の衰退が挙げられます。2020年の東京オリンピック開催に向けて、2018年に受動喫煙対策を義務付ける法案を閣議決定。分煙、そして居酒屋やカフェなどでも全面禁煙の店舗が増えました。
また、若者のタバコ離れも顕著で昭和40年代に80%もあった20代男性の喫煙率は、平成30年には23%にまで下がっています。
SDGsによる世界的なタバコ投資離れ
SDGsは、企業が事業を通じてESGに取り組む際の指針、持続可能な開発目標のこと。ざっくりいうと「人体や環境に悪影響を与えるものに投資するのはやめよう!」という流れで、海外投資家たちは特に重要視しています。
▼SDGsを詳しく!
タバコが人体に悪影響を与えるのは明確なので、SDGsにのっとるとJTは投資対象から外れます。また、SDGsを重視する海外投資家達が離れていったことでJT株は暴落しています。
次世代タバコ”プルーム・テック”が不振
JTが発売する次世代タバコ”プルーム・テック”だが、2018年時点で国内シェアの1割にも満たない。アイコス(フィリップ・モリス・インターナショナル)が約8割のシェアを占めており、次世代タバコの分野で遅れを取っていると考えられています。このまま次世代タバコの普及が進めば、JTが苦境に立たされることになるのは必須。どうやって巻き返すのか、投資家達の厳しい視線が注がれています。
まとめ:JTに対する私の方針は「バランスよく!」
私も株価下落の煽りを受けて常に4万円ほどの含み損を抱えています。でも配当金が目当ての投資ですので、減配しない限りホールドの予定。この安値圏内で、買い増ししたいほどです。
しかし、高配当だからといって投資銘柄がタバコに偏るのは危険。バランスを考えて、全体の30%以下に抑えるのが私の方針です。そうすることで、タバコ関連銘柄に大きなリスクが降りかかってきた際に、他の銘柄がカバーしてくれるはず。同じセクターの銘柄ばかりを買い集めるとリスク分散ができずに大きな損をしてしまう可能性があります。様々なリスクを想定して、細かくリスク分散できるのが株のいいところ。他セクターの高配当銘柄も加えて、上手にリスク分散しましょう。
もう少し資産が貯まったらもう100株買い増して、年間3万円の配当金をGETしたいと思います!
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