4年前、私はドン底にいました。仕事だけを頑張ってきたのに、その仕事がある日突然消えて、何もすることがなくなったんです。
時間だけが大量にあったので、投資の勉強をしたことが私の人生を変えました。今ではあの半年間は神様が私にくれた素晴らしい時間だったと思っています。
2017年、私はどん底に落ちた
2017年、私は大手出版社を退職し、IT企業に転職しました。
仕事は充実していて、労働時間も短くなり、全てが順風満帆。「あー!転職してよかった」というのがその当時の私の口癖だったほどです。
しかし、その年の年末、私が関わっていたプロジェクトが凍結。一夜にして、どん底に突き落とされました。会社に所属していたので、一応お給料はもらえるものの、プロジェクトが凍結され(何ならニュースでも報道されて)、復活するのは絶望的。私には出版社での経験しかなく、IT企業の別部署で活かせるスキルもない。
明日、クビを言い渡されるかもしれない。
来月、仕事がなくなるかもしれない。
これだけ報道されていたら転職も不利かもしれない。
そんなドン底の状態に陥っていました。それまでの私は、仕事一筋だったので、やりがいのある仕事ができなくなることが、人生の終わりのような気分にさせられたのです。
前職の出版社は、安定職でした。そんな職場を辞めて「ITになんか転職するのはやめておきなさい」という上司の言葉を振り切って、面白いことをやらせてもらえそうな会社に転職したばかり。ああ、なんで私は転職なんかしてしまったんだろう…。後悔したこともあります。
でも、振り返ってみると、この時期に仕事がなくなり、人生やお金のことを考える時間ができて、本当によかったと思うのです。当時は不安でいっぱいでしたが、今となっては神様がくれた最高の時間でした。
6ヶ月間、社内ニートでした
会社に行ってもすることがない。私だけじゃなく、そのプロジェクトに関わっていた約300人が会社に行ってもすることがなく、ボーッといている状態でした。1週間ほど出勤したあと、私たちのチームは週に1回の出勤に変更されました。つまり週休6日です。
当時の私は、超絶浪費家で、ほぼ貯金ゼロでした。収入はそこそこあったんですが、あればあるだけ使い切っていました。
ただ、祖母から受け取っていた生前分与のお金があり、心に少しだけ余裕がありました。投資の勉強をするうちに、このお金を投資してみたいなーという気持ちがむくむくと…。
結果として、もらったお金は、祖母と母の意向もあり、現金のまま保有していますが、これがあることでこれ以上の貯金は必要ないなと思えています。
ただ、このお金があっても私のドン底感は、消えませんでした。
なぜなら、私にとっては、仕事こそ全て。お金が少しばかりあっても、いつかは使ってなくなってしまう…。一生働かなくていいだけのお金があるわけではないからです。
プロジェクトが消えてから約半年間、私たちは社内で仕事も与えられず、明日復活するかもしれないそのプロジェクトに備えるように言われていました。
ただ、備えると言ってもできることなんて限られてますよね…。つまり何も仕事はなく、お給料はもらえる状態でした。しかもプラスのお手当ももらっていたので、時間もお金もある状態でした。
今考えれば最高なんですが、当時は、明日のこともわからず不安がどんどん大きくなる日々。早くこの状況が終わってくれー!と思っていました。
余暇時間で、投資の勉強をスタート
最初の1ヶ月は、不安を抱えながら、でもどこかで「直ぐに元どおりになるだろう」とタカを括って、自由な時間を楽しみました。本を読んだり、YouTubeを見たり、ヨガを習ってみたり、筋トレしてみたり、エステに通ったり…。有閑マダムのような生活を送りました。
今までだったら、忙しくてそんなことはできなかったと思います。
でも徐々にやることがなくなってきて、遊び回る同僚たちから距離を置いて私は勉強を始めました。最初は英語だったかな?他にもいろんな本を読み漁りました。
その中で、投資に関する本を読み、お金に興味を持つようになりました。同僚にも同じタイミングで投資に興味を持った人がいて、一緒に投資イベントに行ったり、セミナーに参加しました。
iDeCOからスタートして
- iDeCO
- 投資信託
- 日本株
- アメリカ株
- ETF
- ベトナム株
- 香港株(中国)
と、幅を広げていきました。
正直、時間がなければ、投資なんて面倒くさくて、始められなかったと思います。
時間ができたから、新しいことを始められた。そして、今、投資を知ることができたことを心から良かったと思っています。
ピンチの時にどんな行動をするかでその後の人生が大きく変わる
仕事がなくなって1ヶ月経ってから、投資の勉強を始めて、まずはiDeCOを節税目的で始めました。iDeCOは投資信託を選ばなければいけなかったので、投資信託について調べ始めました。素人でも世界全体に投資できちゃうということを初めて知って、iDeCO以外でも投資信託を積み立ててみようかなーと思い始めます。
暇を持て余した半年間で、証券口座を開いて、投資をスタートすることに成功しました。
半年後、事業の停止が決まり、晴れて別部署に移動となり、今のスーパーホワイトな職場に配属されてハッピーな日々を送っています。
ピンチの時にすべきこと
ピンチの時には焦らず心にゆとりを持って対処することが重要です。
心配事の9割は起こらない
枡野俊明さんの著書『心配事の9割は起こらない』には、現代人の悩みには「実態がない」といいます。
不安になりすぎて、その思考に支配されると、時間を無駄に使ってしまいます。ピンチの時は極度に不安になりすぎないこと。
私も「仕事がなくなったらどうしよう」「転職に不利かもしれないから早く動いたほうがいい?」など心配すればきりがありませんでしたが、結局それらは全て杞憂に終わりました。
リスクヘッジは重要ですが、漠然とした心配事をただ不安に思っているだけなのは時間の無駄です。
ポジティブに捉える
私の場合は、事業の消失と今後の生活の不安いう大きなネガティブ要因がありましたが、
- 収入は維持できる
- 時間が自由に使える
は、ポジティブに捉えることができます。もっと早くから、これらを有効活用して、自分のスキルを磨いたりあたらいいことにチャレンジすれば良かったな〜と思います。
どんなことでも角度を変えれば、ポジティブに捉えることができるはずです。ひとつの思考や思い込みに囚われずに、視点を広く持って生きていきたいものです。
今の自分を見つめ直す
状況を前向きに捉えられたら、今度は今の自分を見つめ直しましょう。
今のあなたに必要なことは?未来のあなたのためになることは?
もし忙しすぎて、休養が欲しいなら、思い切って休みましょう。心も体もリラックスして、何も考えずにただ休息する。しっかり休んでから次の一歩を踏み出せばいいのです。
新しいことに挑戦する
時間が自由に使えるなら、新しいことにチャレンジしましょう。今までとは違った視点で、やったことがないことをやってみます。何をしたらいいかわからないなら、たくさん本を読んで。その中に、ヒントがあるかもしれません。
もしやりたいことが見つからなかったら、私と同じように投資や経済について勉強してみてもいいかもしれません。お金は、あなたの時間を作って、あなたの人生に余裕を与えてくれるものです。投資は生産する娯楽、つまり趣味として楽しむのが私のおすすめです。専業投資家を目指すなら、並大抵のメンタルでは乗り越えられなそう。
まとめ:今が辛くても、いつか”あの時があったから”と思える日がくる
もしも、今が辛くて、人生の底辺だと思ったとしても、絶望しないでください。もしかしたら、あなたは今人生の転機にいるのかもしれません。そして、その転機は、あなたの人生をより良い方向へ導いてくれるかもしれない。
私は、そうでした。
安定した会社から転職したばっかりなのに、事業は消失して、社内ニートになり、明日クビを言い渡されるかもしれないとビクビクして、生活を心配していました。ニュースになったほどの大きなネガティブサプライズだったので、転職にも不利…ああ、私の人生終わった、と思っていました。
でも、その期間に投資に出会えたから、お金のことに向き合えたし、今は経済的自由を目指して目標をもって働けています。投資のために支出を最適化して、生活も安定し、自分にとって何が大事なのかにも気が付けました。
何が人生をいい方向に導いてくれるかなんてわかりません。最悪の状況も、絶望しないで前向きに進んでいきましょう!必ずそれはいい方向に転がっていくはずです!