毎年5月、総務省が発表している家計調査。2人以上の世帯を対象にしたこの調査の平均貯蓄額に注目してみました。平均値を参考にしながら、自分のライフプランニングに役立てたいと思います。
貯金と貯蓄の違い
普段は意識せずに使っているこの2つの言葉ですが、実は意味合いが異なります。
貯金
お金を貯める、または貯めたお金。銀行や信用金庫などに預けた定期預金や普通預金を指します。
貯蓄
金融資産の総称。貯金も含めて、土地や不動産、投資資産など、保有する資産全体です。
日本人は、貯金が大好きで、金融資産の52%が預貯金という調査があります。でも今、銀行に貯金しても、利子は年0.01%ほど。100万円預けて1年でたったの100円増えるだけ。ちなみにそこに税金がかかるので、手元に残るのは80円です。缶コーヒー、ギリギリ買えるかどうか…。
逆に海外では貯蓄への意識が高く、米国は預貯金13%、株式などの投資が36%を超えています。そしてその米国では、家計資産がこの3.3倍に増えました。一方日本は、1.5倍ほど。これは、米国の平均給与が増えたからではなく貯蓄の中での投資割合が高いためです。20年で日本も貯金ではなく、資産を貯蓄して増やしていかないと、相対的に貧しくなってしまいます。
世代別の平均貯蓄額は?
2018年、金融広報中央委員会が掲載した「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」には、世代別の平均貯蓄額が掲載されています。
全世代合計合計の平均貯蓄は1812万円(うち負債517万円)。負債はローンなどの借り入れで、その負債金額を除くと、1295万円が純粋な貯蓄金額となります。では、世代別では、どのくらい貯蓄しているのでしょうか。
20・30代家計の平均貯蓄額
602万円(うち負債1123万円)
住宅ローン開始時期だからでしょうか、負債金額は上回り貯蓄はマイナスです。
40代家計の平均貯蓄額
1074万円(うち負債1055万円)
ローン返済が一息ついて、貯蓄がトントンになってきます。
50代家計の平均貯蓄額
1699万円(うち負債617万円)
子育てとローン返済が終わって、約1000万円のプラス。やっと…。
60代家計の平均貯蓄額
2382万円(うち負債205万円)
おそらく退職金の影響でしょう。2100万円の純貯蓄が形成されます。
自分が同世代の平均より貯蓄できているかそうでないかがわかります。もし平均を下回っているなら、早急に家計の見直しが必要です!
日本人は、年収の何割を貯蓄している?
家計の金融行動に関する世論調査によると、全体の中で貯蓄をした60%の人が、年間手取り収入の8%を貯蓄しています。
手取り300万円の場合…年間24万円・月2万円
手取り400万円の場合…年間32万円・月2.6万円
手取り500万円の場合…年間40万円・月3.3万円
手取り600万円の場合…年間48万円・月4万円
私の場合、額面で550万円なので400〜500万円の手取りとすると、36万円(年間)だと、平均貯蓄を上回っていることになります。1ヶ月で3万円。正直少なく感じます。
貯蓄額の平均値から、自分の貯蓄目標を決めていいのか?
ここで考えたいのは平均値に意味があるのか、ということです。よく言われる「家賃は月収の30%」や「貯金は手取りの10〜20%」など。でもそれって自分にとっては何にも意味がないということに気がつきました。
人よりも貯蓄しているからよかったってホッとするのは、違うと思う。
自分の人生のこと、お金のこと。自分の脳みそでしっかり考えるべき!
そうして私はゴールを決めました。月16.6万円の配当金収入を得ること。そのために、5000万円の資産を準備すること。逆算すると、20年間、毎月約10万円の貯蓄をする必要があることがわかりました。驚愕!
3000万円貯めるために、いくら貯蓄すべきか
私の場合、今更ですが、23歳で就職してから、60歳定年3000万円貯蓄に定めるためには、どれくらい貯蓄に回す必要があったんでしょうか。3000万円にしたのは、120万円(税引後4%で配当金運用)に必要だったためです。3000万円あれば、月に10万円の不労所得を得ることができます。
貯金して貯める/月6.25万円
月に6.25万円を40年間貯金すれば、3000万円が貯まります。元本が減ることはありませんが、インフレリスクがあるため、3000万円が貯まっても40年後には3000万円分の価値がない…という可能性があります。悲しい…。
投資商品で貯める/月2.08万円
年利5%で複利運用する場合、月に2.08万円を40年間運用すれば、3000万円になります。ただし、年利は変動しますし、元本保証はありません。安定的な投資信託やETFでリスクヘッジしながら運用する必要があるでしょう。
貯金だけで貯めるなら平均値はあてにならない…
平均貯蓄額はたったの3万円(手取り年収450万円の場合)でしたが、もし貯金メインにするなら、明らかに足りません。でも投資商品メインなら十分。そう、預金だけで貯めるのと、投資商品で運用するのでは、毎月4万円ほどの貯蓄差額がでてしまうんです!でも60歳時点で受け取る金額は同じ。やはり投資の割合を増やして最速で貯めねば!と襟をただしました。
貯蓄を増やすためにすべきこと
貯蓄目標額が決まったら、あとは貯蓄するのみ!すでに貯蓄が習慣になっているなら問題ありませんが、上記の目標金額を達成できてないならまず家計を見直して、しっかりと貯蓄できる仕組みづくりを整えるべきです。
最初に、自分の支出傾向を確認する必要があります。家計簿はつけていますか?もしつけていないなら、今すぐ家計簿をつけましょう。私は手書きが面倒なので、家計簿アプリを導入しています。クレジットカードや銀行口座と連携すれば、面倒な入力不要で家計管理が簡単にできます。
自分の家計の状態は?
家計の状態が可視化されたら、次に下記をチェックします。
・収支はいくら?
毎月いくらの黒字(もしくは赤字)状態なのか。
・どの支出が多い?
食費、衣料費、家賃などの割合。マネーフォワードなら、他家計の平均値と比較ができて便利です。
・浪費は支出の何割?
支出には3つの種類があります。
消費:日々生活する上での必要最低費
浪費:贅沢や無駄な出費
投資:今後リターンが見込まれる出費
理想は消費50%・浪費10%・投資40%といわれています。実際に家計はそれぞれ何割ずつでしたか?浪費が多いなら家計の見直しが急務です!私の場合、2018年は浪費の割合がやばすぎました。今は投資40%をキープできています。ちなみに消費と浪費は大雑把にしか分けていません。
まとめ
家計を見直し、貯蓄できるようになったら、1年に1度はその収支を見直して、目標への達成率を確認するのが、目標です。たったの3ヶ月で浪費ぐせが治り、f貯蓄体質になれたので、今後もコレは継続したいと思っています。