卵巣嚢腫(5cm)で入院・手術しました。健康診断で嚢腫が見つかってから、手術、術後までの体験をまとめています。
今回は、卵巣嚢腫の発見から入院に至るまでのお話です。
私が卵巣嚢腫で入院するまで
卵巣嚢腫は、卵巣の中に異物が溜まってしまう病気です。内容物とその大きさによって、経過観察になるか手術を勧められます。
卵巣に腫瘍が発生する確率は、女性の全生涯でみると5〜7%程度。卵巣は、子どもを作る臓器です。だから、ほかのどの臓器よりも多種多様な腫瘍が発生する臓器だそうです。
- 漿液性嚢胞腺腫
- 粘液性嚢胞腺腫
- 皮様嚢腫(成熟嚢胞性奇形腫)
- チョコレート嚢腫(子宮内膜症性卵巣腫瘍)等
結果的に私の場合は、卵巣の中に髪の毛や脂肪、歯などがたまっていく”皮様嚢腫”でした。卵巣は、生命誕生に関わる臓器だけに、稀に細胞分裂などで人のパーツだけが作られてしまうことがあるそう。
皮様嚢腫は、全卵巣腫瘍の
15~25%
を占めます。1000人の女性のうち7.5〜12.5人がなる病気です。
原因は分かっておらず、対処方法がないのが今の医療の見解です。つまり予防することも自分で改善させることもできない病気だそうです。
2018年 健康診断で卵巣に異常あり
私が初めて卵巣に異常を認められたのは2018年のこと。健康診断で婦人科健診を受けた時でした。これ以前も婦人科検診を受けていたので、2017〜2018年に何かしら体に変化があったんだと思います。
ただ、この時の卵巣はやや腫れてるくらいでした。
通常は、親指くらいの卵巣が3〜4cmくらいになっているとのこと。生理前後にはそういったこともあり得るから、1年間の経過観察となりました。
2019年 卵巣嚢腫が大きくなるが経過観察
翌年、やはり卵巣が腫れている状態でした、4.2cm。ただ、手術などが必要になってくるのは、5cm以上なので、この年も経過観察でした。
卵巣嚢腫は、大きさが変わらないままの人もいるそうで、その場合は経過観察でも問題ないという説明でした。
2020年 嚢腫の大きさが4.8cmになり精密検査へ
異常が見つかってから、2年後、卵巣の大きさが4.8cmになりました。ここで健康診断の病院から「精密検査」のお知らせがきます。
自分でもこの病気のことを調べて、”悪性”である可能性もあることから、きちんと検査しようと思い、病院探しを始めます。
病院探し
まずは精密検査をする病医院探しです。調べていて、内容物によっては自然に消失することもあるとのことでした。チョコレート嚢腫は血(液体)なので、そういったこともあり得るそう。ただ、私の場合は健康診断でも何か入っていそうとのことで、皮様嚢腫である可能性が高いなと思っていました。
まずは、卵巣内に溜まっている内容物を調べて、必要あれば手術。
手術の可能性が高いので、最初から手術ができる病院にしようと思い、大きく2つの候補に絞りました。
卵巣嚢腫の手術数が多い大学病院
日本で一番卵巣嚢腫の手術の件数が多いのは、順天堂大学病院でした。大学病院は、手術件数が多くて、安心感があります。
ただ、研修医などまだ術数をこなしていない医師に当たる可能性もあります。(手術には経験豊富な医師も立ち会います)また、手術までに数ヶ月かかるのも心配なポイントです。
婦人科を専門とする私立病院
もう一つの選択肢が、婦人科を専門とする私立病院です。特に卵巣嚢腫の腹腔鏡手術を得意とする専門医がいる病院を調べました。
この場合は、手術をする医師は経験豊富な方に当たる可能性が高いことが大きなメリットです。しかし、万が一の時に腹腔鏡以外で手術する際、設備や経験値でちょっと心配が残ります。
私が調べた私立病院は、完全個室で、費用もかなり高かったです。
順天堂医大で再検査
検討した結果、以前別の課で受診していた順天堂大学病院(御茶ノ水)に受診することにしました。
予約は電話で。診察券を準備して、健康診断で紹介状をもらっていたので、予約時にそれを伝えます。
私の場合は2週間後に予約が取れました。
検査結果は…
診察はまず内診からです。健康診断の超音波画像を持っていきました。やはり大きく膨れ上がった卵巣が確認されました。
そこから、腫瘍マーカーやCTなど検査が進みます。
ここで何を検査したかというと、内容物と腫瘍の種類です。もし悪性腫瘍の場合、卵巣ガンということになり、腹腔鏡手術では対応できない可能性がありました。
一連の検査に4ヶ月を要しましたが、結果良性(ほぼ)でした。
ただ、実際に開けて、病理検査をして悪性と判断されることもあるそうで(0.02%ほどだそう)まだ油断はできませんが、全ての診断で今のところ良性で、皮様嚢腫ということがわかりました。
これまでの4ヶ月、不安でいっぱいだったので、とてもホッとしました。
術前検査
手術の1ヶ月前、歯科健診など、健康状態をチェックしました。麻酔のチューブが金属なので、歯がぐらついていると稀に歯が抜けることがあるそう。私は前歯に一部セラミックがあるので、マウスピースを作ってもらいました。これが8000円でした。
麻酔や輸血のリスクの説明などがされて、全てに関して同意書を記入します。
また、入院の説明も受けます。ここでは費用の面で特に”室料”について聞かれました。室料は部屋代なのですが、無料のベッドはなかなか空きがないようで、有料でもいいか?という内容です。バカ高くなければ、別にいいやと思って同意。
最後に、担当医と入院までの過ごし方などを聞いて、質問があればここで。あとは入院に備えるのみです。
PCR検査
今だからこそですが、入院の直前にPCR検査を受けて、新型コロナ陰性であることを確認されます。
検査は唾液なので、渡されたボトルに唾液をひたすら自分で入れるのみ。すぐに終了しました。もし無症状でも陽性だったら、入院できないのが今のご時世です。
入院前日
順天堂大学病院ではアプリを採用していて、前日にアプリないメッセージで入院受付時間の連絡がきます。私も登録していたのですが、なぜか昼ごろ電話がきました。
無料の大部屋はもちろん、有料の大部屋も空いてないとのこと。
これは予想外でした。有料の大部屋で妥協しようと思っていたのに…。
その上、個室も1泊36,950円の部屋以上しか空いてないと言われて、頭の中で掛け算…
5日間の入院で…18万円!?
と、一瞬パニックになりましたが「1日分だけお支払いいただければ大丈夫です」とのことで、あっさり個室になりました。結果、有料大部屋と同じくらい位の料金で、個室に入れたのでラッキーでした。無料部屋が空いたら移動してもらうかもとのことでしたが、短期間なので大丈夫そうとのこと。移動は面倒なのでいやですが、まあしばらく個室を楽しめるので良しとします。
卵巣嚢腫の原因は?
卵巣嚢腫の原因は分かっていません。
皮様嚢腫は、受精していないにもかかわらず卵子の細胞分裂が起きて途中で停止したため、できた皮膚や毛髪の成分がたまって腫瘍化すると考えられています。
…でもこれ、気をつけようがないのが現状です。
だから、もし過去に戻ってもこの病気を防げたかどうか、私にはわかりません。
ただ、この病気が見つかって、私の健康に対する意識はさらに上がりました。効果があるかはわかりませんが、子宮や卵巣の健康を守るためにいくつかのことを始めました。
シャンプーをやめる
合成洗剤は、皮膚に長く残留します。
本当か嘘かわかりませんが、それらが子宮に溜まって、お産の際に羊水からシャンプーの匂いがしたなんていう人もいました。科学的根拠はないので、これをそのまま信じているわけではありません。
でも自分自身もシャンプーをやめてしばらくは、頭皮から泡が出ていたことを考えると、合成シャンプーはどれだけ洗い流しても私の体にくっついていて、皮膚や口から摂取されていたと思います。ちなみに、合成シャンプーを川に流すと魚は死にます。石鹸シャンプーなら、魚は生きています。それくらい合成シャンプーって、やばいものでした。今は一切合成シャンプーは使っていません。
お腹を温める
特に子宮や卵巣のあたりを温めるために腹巻を買いました。お腹が冷えていると思ったら、貼るホッカイロをつけて、温めを強化します。
子宮や卵巣は、血液が滞りやすいと言われています。冷えは万病の元といいますので、温めるに越したことはないないはず。
毎朝白湯を飲む
血流が悪いと病気にかかりやすくなります。毎朝白湯を飲んで、朝の体温を上げて、寝ている間に体に溜まった老廃物を綺麗さっぱり流します。それには、50〜60度くらいの白湯を飲むことが有効です。
これを始めて便通も良くなりました。
健康診断を受けていてよかった
今回、不幸中の幸いだと感じたのは、健康診断で早めに発見できたことです。
会社の健康診断だけじゃなく、婦人科検診も必ず毎年受けた方がいいです!子宮や卵巣は、沈黙の臓器。私もいまだに痛みがあるわけでも不調があるわけでもありません。検査して、きちんと自分の体を把握することが何よりも大切です。その上で、治療が必要な場合は速やかに行動に移しましょう。
検診は、無料でできることが多いです。私は健康診断では、結構オプションをつけて、しっかり検査します。基本は会社が負担してくれるのですが、オプションだけで2万円くらいお支払いしたこともあるんですが、その分安心できるので、オススメの投資です。
まとめ:毎年必ず健康診断をすること!
原因がわかっている病気については、努力や節制でリスクを減らすことができます。でも卵巣嚢腫のように原因がまだわかっていない病気は、誰でも発症する可能性があります。それをいち早く見つけて、対処することで最悪の事態が避けられる可能性が高まるはずです。
ちなみに卵巣嚢腫は、ほおっておくと
- 稀にがん化する可能性がある
- 重さによってねじれ、卵管が壊死する可能性がある
- 重さに耐えられず、破裂する可能性がある
と言われています。とくに、痛みがないからといって気がつかないままだと、気が付いた時には卵巣癌になっていた…なんてこともあり得ます。またねじれて卵巣捻転になると、最悪卵巣全摘することもあるそうです。
そんなことにならないためにも、健康診断はしっかり受けましょう!私も健康への投資は惜しみません。
▼②手術と病院食
▼③お金と医療費のこと