うちの場合は”金持ち父さん 貧乏父さん”ではなく、”金持ち叔母さん 貧乏母さん”

うちの場合は”金持ち父さん  貧乏父さん”ではなく、”金持ち叔母さん 貧乏母さん”

ロバート・キヨサキさんの名書『金持ち父さん 貧乏父さん』。最初に読んだのは、まだ10代の頃でした。それから20年経ってふとした時に読んで、その頃と違う受け止め方をしました。1度目に読んだ時に思ったこと、それは「これ、うちの家庭のこと…?」っていう既視感でした。

▼投資を始めたきっかけの名書

母は貯金派、叔母は投資派

母娘

私が育った家庭は、アーティスト気質の父と教育熱心な母。父は子どもの教育には無関心で、遊びには全力で協力してくれるタイプでした。反対に母は、私が生まれた時に100冊の絵本セットを購入し、平日は毎日お稽古に通わされていました。

母は、とても日本人らしく、普通な専業主婦で、熱心に子どもたちの世話をしていて、手料理が上手でした。今となっては絶滅してしまったような昭和のお母さん像そのものです。

母の人生とお金

ロングヘアー女性の後ろ姿

母は、短大卒業後、20代前半は裁縫の仕事をしていました。20代後半で父とお見合い結婚。父の実家は、どちらかというと裕福な家庭で、父も田舎の大手企業に勤めていたので、迷いなく専業主婦になったと言います。

私と弟を授かり、しばらくした頃、父方の祖父が、祖父母近辺できた新築マンションをキャッシュで一括購入。つまり父は母、無料で3LDK新築マンション(約2000万円)を手に入れ、家賃も払うことなく(微々たる共益費のみ)子ども2人を育てることになります。

お金に困ったことのない父母と、バブルの恩恵をたっぷり受けた祖母(祖父はマンション購入直後に死去)は

「貯金していれば、お金は増える」

というモットーで、投資には一切手をつけず、コツコツと貯金に励んでいたのでした。

私(私立大学)と弟(国立大学)を出た後、父は退職金をもらってリアイア。母は相変わらず専業主婦です。微々たる年金をもらって、慎ましやかに生活しています。

  • 家賃がかからないこと
  • お金のかかる趣味がないこと

が幸運ですが、海外旅行などまとまったお金が必要なものは、躊躇しています。

「これからは貯めたお金を切り崩すだけ。贅沢はできない」

貯金はありますが金利はほぼゼロ。貯めたお金は、今後、目減りしていくだけですからね。当然の心境でしょう。

叔母の人生

海辺の女性

親世代では、晩婚だった叔母(母の姉)。百貨店で販売員として働いており、なかなかのやり手営業職だったらしいです。そんな叔母は30代半ばで結婚。その後も仕事を続け、40代まで勤め上げていました。

子宝には恵まれず、ただ子ども好きだったこともあって、私と弟は大変かわいがられました。中学生のときは、忙しかった両親のかわりに、ハワイ旅行に連れて行ってくれたり、週末は近所の山で一緒にキャンプしたり。

叔母が仕事を辞めたタイミングで、地元の新興住宅地に土地付き一戸建て(約3000万円)を購入。叔父は公務員を定年まで勤め上げて、現在はふたりとも庭付き一戸建てでゆったりと暮らしています。

叔母は20代から投資をしていて

「投資は怖くない。コツコツ安全にやればね」

と、言って大型株を超・長期保有。配当金はもちろん、海外・国内旅行は頻繁で、株主優待を消化するために忙しい!とアクティブに過ごしています。数年前はシベリア鉄道でロシアを縦断してオーロラを見る旅へ。東京にも度々遊びに来ては、優待ランチに誘われることもしばしば。

「年金は最低限の生活費。投資の利益は、自分たちの楽しみに使っちゃう!」

クオカードや優待でもらった美味しいものを、私に横流ししてくれる心強いサポーターです。

私が叔母から学んだこと

母娘

どちらの人生がどうということではありませんが、私は『金持ち父さん 貧乏父さん』を10代で読んだ時、間違いなく貧乏父さんは私の母だと思いました。

とても勤勉で勉強していい大学に行けば、いい仕事ができて、いい結婚ができて、いい人生が送れると心から信じて疑わない女性でした。しかし35年後の今現在、あの頃の貯金を切り崩しお金がなくなってしまうことに恐怖を覚えています。

叔母は、子どもがいなかったこともあって「自分の老後の面倒は自分でなんとかしなければ!」と夫婦で、投資を頑張ったそうです。その結果、お金がお金を生んでくれて、70代になってもお金の心配はなく、配当金で趣味を満喫し、有り余る余暇時間を楽しく過ごしています。

そんな叔母が、最近投資を始めた私に教えてくれたことがあります。

女性も経済的に自立すると夫婦関係が良くなる

歩く老婆

叔母は、30代半ばまで独身で「これからも、ずっとひとりかも?」って思っていたそうです。そのためきちんと貯金していて、その資金を元手に結婚後に投資を始めました。

夫婦はときに関係が悪くなることがあります。でも自分が経済的に自立していれば、離婚という選択肢もある。叔母にも離婚が頭をよぎったことがあるそうです。でもそんなとき「まあ、しようと思えばいつでも離婚できるしな」と気楽に考えることができて、自分に余裕ができたそう。その気楽さは、投資してお金が運んでくれるお金があるからきていたそうです。

子どもがいなくても老後は楽しい

母娘

子どもが欲しかった叔母ですが、当時は不妊治療もまだ今のように精度が高くなく、結局子宝には恵まれませんでした。姪っ子甥っ子たちを可愛がり、時には悲しい気持ちになることもあったそうですが、20年経つと子たちは独立して、他の夫婦と大差ない。それよりも、夫婦ふたりの絆が強いので、「子どもがいてもいなくても、20年後には大きな差はないのよ。ふふふ」と笑っていました。

その分夫婦ふたりの時間を楽しむお金があれば、問題なし。

個人投資家は長期保有が一番

女性がお金を持つ

ながーい投資人生で、叔母が学んだことは、個人で短期売買で利益を出そうとすると損する確率が高いということ。「良い銘柄に出会ったら、一生添い遂げる覚悟で持ち続けなさい」と、念押しされました。わかりみが深い。

東南アジアに投資するべき

海辺に寝転がる女性たち

叔母は日本株一辺倒だったけれど、私には東南アジアの企業にも投資したほうがいいと勧めてくれました。

叔母の頃は、日本の人口が増え続け、GDPも高かった。今は平均年齢が高く、人口は減少。そんな日本企業に今から投資しても、伸びるかどうかは賭けになる。それなら、まだ平均年齢が低い東南アジアにしっかり投資して、その成長率にかけたほうが未来があると。

叔母はもう70代なので、「日本株で逃げ切るわ!」と言っていました。尊敬です。

まとめ:母と叔母は仲良しです

そんな真逆な性質の母と叔母ですが、ひとまわりも年齢が離れていることもあり、とても仲良し!毎日電話でおしゃべりして、毎週ランチの約束(優待券を使って!)をして、2〜3ヵ月に1度は近場に遊びに出かけています。

それらは全て、叔母の心のゆとりとアクティブさからきているんです。周りもハッピーにする投資の効果おそるべし!私もそんな叔母のように楽しい毎日を送れるおばあちゃんになれたらいいなーと思っています。

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